バナナの歴史を知ろう!

Banana history

バナナフルの原料であるバナナ…。

私たちの食卓に欠かせない果物の一つですが、その歴史は非常に古く、紀元前5千年~1万年ごろまで遡ります

ここではバナナの起源から世界への伝播、日本での普及までの歴史を詳しく探ってみます。

バナナの起源と栽培化

バナナの原産地は東南アジアの熱帯地域であり、その歴史は紀元前5千年~1万年ごろにまでさかのぼります。

当初のバナナは現在のものとは異なり、小さく種が多いものでしたが、偶然種のない食用に適した品種が生まれました。その苗を人間が栽培化したのが、現在のバナナの始まりといわれています。

マレー半島原産の「ムサ・アクミナータ」とフィリピン原産の「ムサ・バルビシアーナ」の交雑種が、現在私たちが食べているバナナの主な起源とされています。

バナナの世界進出

東南アジアで栽培化されたバナナは、農業技術とともに東西の熱帯地域に広がっていきました。

マレー半島で生まれたバナナはミャンマーを経由し、インドへ進出してきます。そして大西洋を渡って紀元前2千年頃に、東アフリカ大陸やマダガスカル島に上陸したと伝えられています。

紀元前4百年頃、マケドニアのアレキサンダー大王がインド遠征の際にバナナと出会い、その存在が西方にも知られるようになりました。その後、バナナはアフリカ大陸を経て、15世紀にはカナリア諸島、さらに中央アメリカや南アメリカへと伝播し、世界中の熱帯・亜熱帯地域で栽培されるようになりました。

日本でのバナナの歴史

日本にバナナが初めて輸入されたのは1903年(明治36年)4月のことで、台湾の商人が神戸に持ち込んだのが始まりとされています。(当時台湾は国内扱いだったので正式には「移入」)

当時のバナナは高級品であり、1房250円(現在の価値で約7,500円)程度で取引されていました。その後、1963年(昭和38年)にバナナの輸入が自由化され、台湾に加えてエクアドルやフィリピンなどからのバナナも流通するようになりました。

現在、日本で消費されるバナナの約9割は、バナナフルの原産地と同じくフィリピン産です。

バナナにまつわる逸話

バナナは日本文化にも影響を与えています。江戸時代の俳諧師、松尾芭蕉の名前は、彼の庵の庭に植えられていた芭蕉(バナナの一種)種、に由来しています。

また、大正末期には、台湾から門司港へ大量に輸入されたバナナが、熟しすぎて早急に売りさばく必要があったため、露店商らが巧みな口上で販売する「バナナの叩き売り」が始まり全国に広がっていったといわれています